昭和二十四年に祖父が畳屋を開業し、
たくさんのお客様の笑顔に支えられて
ここまで歩んできました。
一度、畳を敷き終えた時、
お客様が
「ありがとう、
これで良い新年を迎えられるわ」と、
畳に頬ずりをして、
クシャッとしわを寄せて笑ってくれた顔を
今でも鮮明に覚えています。
祖父が畳作りを始めてから六十年以上、
畳業界も大きく変わりました。
和室の減少、機械化による大量生産、中国表、科学表の普及による国産表の衰退・・・・。
しかし、変わりゆく時代の中でも変わらないもの。
それは、受け継がれる想いと、
笑顔からもらえるエネルギー。
「すべてはあの時の笑顔がまた見たいから。」
だから今日も変わらず、一枚一枚心を込めて、畳を縫っています。